V.陸上競技の試合では?

@ 試合における中学生としての心構え(競技以外について)

a.東京都の中学校陸上競技部部員として自覚を持ち、中学生として責任のある行動をする。また、学校,地域の代表として誇りを持つこと。
b.競技場への行き帰りに地域の住民に迷惑のかかる行為は絶対にしない。とくに買い食いや大声で騒ぐ行為には十分注意すること。
c.競技場内や行き帰りになどに他校生徒とトラブルをおこさないこと。
d.競技に参加する場合や応援で競技場に行く場合は、それにふさわしい服装で行き、私服やだらしない格好は絶対にしない。また、中学生としてふさわしくない態度、言葉遣いにも注意する。
e.競技場や周辺の立ち入り禁止区域、フィールド内には絶対に入らない。選手に対する助言や応援、付き添い、記録取りなどの時に注意する。
f.ゴミなどの処理には注意し、分別をする場合や競技場に捨てることができない場合は必ず持ち帰る。
g.ガムやお菓子,ジュースのビンやカンは競技場に持ち込まない。
h.持ち物の管理は、各自が責任を持って行う。貴重品は持ち込まない。
i.大会の規則や陸上競技のルールに従って行動し、競技役員に注意された場合はすぐに従うこと。
j.テントなどの場所取りには、他校や人の事を考えて指示された場所、人数で並び、整然と行うこと。
k.補助役員をする場合は役員として公正な立場で行動し、グランド内では機敏な行動をし、ふざけたり遊んだりしない。
l.競技場はきれいに使用し、競技場の用器具や施設は大切に扱う。

A 試合における競技者としての心得

(1)競技場に到着してアップまで

a.競技時間には遅れないようにし、自分の競技開始時間の2時間前には競技場につき、競技場の施設やアップの場所を確認する。
b.学校受付は顧問の先生がし、プログラムやナンバーカード(ゼッケン,安全ピン)を受け取る。
c.プログラムをよく読み、招集時間を確認する。また、記載ミスや誤字などがあった場合はすぐに顧問に報告し、本部で訂正をしてもらう。
d.プログラムを受け取った後は大会規則、招集時間、招集場所、競技開始時間、組数、レーン(コース) や試技順、名前などを確認する。(自分の競技種目の前の種目や時間も確認し、アップの時間や場所を決める際の参考にする。)
e.食べ物は食後2〜3時間は体内で消化しないので、競技時間を考えて食事を取ること。時間があまりない場合は、軽食(パン,携帯食,バナナ)を食べる。

(2)ナンバーカード〈番号布・ゼッケン〉について

a.ナンバーカード(ゼッケン)はウォーミングアップ前にユニフォームの胸と背中の正しい位置に四隅を安全ピンで付けること。(大会によっては事前にナンバーカード(ゼッケン)が配付され、ユニフォームに縫い付けなければならないことがあります。)
b.腰ナンバーカード(腰ゼッケン)がある場合はプログラムの大会規則を見て左腰か右腰かを確認して付ける。ランニングパンツを一度はいて付けると、正しい位置に付けやすいです。
c.主催者からナンバーカード(ゼッケン)が配付される場合で終了後に返却する場合があるので紛失したり、汚さないように注意すること。
d.大会前にナンバーカード(ゼッケン)を作る場合は大会の規定(男子-黒,女子-赤などの色,大きさ,字の太さ)を確認してはっきり、大きく作る。(忘れる場合があるので予備の布やマジックを持っているとよい。)

(3)ウォーミングアップについて

ウォームアップの目的

・体温、筋温を上昇させる。
・障害発生の予防。(柔軟性の確保、関節可動域の確保)
・適応性を高める。(心肺機能や筋肉へのストレスの軽減)
・心理的準備
a.ウォーミングアップは競技開始時間の最低でも1時間前に開始し、第2コール(最終招集)の5分前には終了し、競技の出来る準備をして召集所に本人が行くこと。
b.ウォーミングアップの際は汗をかくのでユニフォームなどは着て行わない。また、天候(雨,好天,強風)、気温(高温,低温,湿度)、服装(Tシャツ、ウインドブレーカー,タイツ,帽子) 場所(ダッグアウト,公園などの木陰)時間(涼しい時間)を考慮する。(競技の進行の妨げにならない場所,時間で行うこと。)
c.予選,準決勝,決勝と1日に何回か走る際は、2回目,3回目のアップは速い動きなどを意識し、疲れてしまうようなアップはしない。

◎ 短距離のアップ例

☆競技開始 1時間半〜2時間前にアップ開始

・ジョッグ(800m〜1200m) ※正しい姿勢で
・体操,柔軟,ストレッチ  ※肩関節,下肢を中心に
・スプリントドリル(腿上げ)2〜3種類、10〜20m×3〜5本
・流し[ウィンドスプリント, W-Sprint] (120〜150m)、アップシューズで3本、スパイクで2〜3本
・SD(スタートダッシュ) 20〜30m×2〜5本,50m×2〜5本
・試合のイメージで快調走(1〜3本) ※走る距離やコーナーの走り方の最終チュック
・着替え,軽いマッサージ(3〜5分程度)など

※ ときには朝早く1次アップを行い、自分の競技開始前に2次アップを行うこともあります。
※ 競技特性や個人差、季節、気温、体調があるので、自分自身に合ったアップを探してください。

(4)コール(招集)について

a.試合に出るためにはコール(招集)受ける必要があります。中体連では2回のコールを行い、どちらかが欠けても試合に出場することが出来ません。

[第1コール]

競技開始1時間ぐらい前に招集所に行き、机上に置かれた種目ごとのプログラムから自分の名前を捜し、自分のナンバー(ゼッケン番号)に赤丸を付ける。代理人が行っても構わない。

[第2コール]〔最終コール〕

競技開始前(トラック競技15〜20分前,フィールド競技20〜50分前)の指定された時間に競技に参加できる状態で、招集所に行き、点呼を受ける。点呼の際は大きな声で返事をし、必ずナンバーカード(ゼッケン)の前後,腰ナンバーカードを競技者係の役員に見せる。必ず本人が行き、他種目に出ていて点呼を受けれない場合は役員に事前に申し出ること。(スパイクや投てきのシューズを忘れないこと。また、ユニフォームの上にトレーニングウェアなどを着て行き、保温に努める。)

b.リレーでは「第1コール」でリレーオーダー用紙を招集所で競技者係より受け取り、メンバーの名前を記入し提出する。「第2コール」では4人揃って招集所に行く。(プログラムにオーダー用紙が付いている場合もあります。顧問の署名が必要な場合もあるので注意すること。)

c.病気やケガなど特別な理由で棄権する場合は、必ず競技者係に報告する。(第1コールでナンバー(ゼッケン番号)に赤線をひく)無断で棄権したり、絶対に他の選手などは出さないこと。

d.「第2コール」の点呼後は役員の指示に従って行動すること。(競技開始されるまで間に、競技の進行や審判の邪魔にならない程度で身体を動かし、身体を冷やさないようにする。ボーとしていたり友達とおしゃべりをしないで最後のコンディション作りをする。)

(5)試合中と試合後の競技者としての心得、規則

a.競技時間が変更になることもあるので、招集所の掲示や放送(アナウンス)に注意すること。
b.トラック競技で出発する前にレーンナンバー標識の前の集合線(緑)に立った時、放送でレーン・ナンバー・名前・学校名が呼ばれた場合は手を上げて一礼をする。
c.セパレートレーンを使用する競走では競技者の安全のためにフィニッシュライン(決勝線)通過後も自分に割り当てられたレーン(曲走路)を走ること。
d.トラック競技でフィニッシュライン(決勝線)通過後、役員の指示で自分のレーン(コース)に並び待機することがあるので、その場合は指示に従うこと。
e.リレーや走高跳のマーク(テープ等)は競技終了後必ず自分達でとること。
f.競技終了後は記録やアナウンスなどを確認し、決勝に残っているか、いないかを確認する。
g.賞状・記録証がある場合は必ず受け取ってから帰ること。(都中体連大会では、賞状を閉会式で一括表彰することがあります。)
h.使用した用器具は所定の位置に戻し、整頓につとめる。
i.ゴミなどを拾い競技場を汚さないようにする。
j.ミィーティング等は競技場の外で行い、速やかに競技場から出ること。

(6)クールダウンについて

クールダウンの目的

・障害発生の予防。(疲労回復の促進、柔軟性の回復)
・体調を整える。

◎ クールダウンの例

・ジョッグ(800m〜1200m) ※リラックスして
・整理体操
・柔軟,ストレッチ
・回復マッサージ

※ 疲労物除去を促進し、疲労回復を早める。柔軟性、関節可動域の回復。筋肉の緊張を取り、心身のリラクスセーション。

(7)ストレッチ、マッサージについて

a.ストレッチの目的

・体温、筋温を上昇させる。
・障害発生の予防。(柔軟性の確保、関節可動域の確保)

b.ストレッチの注意点

・弾みをつけたり、無理矢理押さない。
・痛みを感じたり、強く伸ばし過ぎないようにする。
・正しい姿勢で、呼吸を止めて行わない。
・身体を軽く動かし、体温、筋温を上げた後に行う。

c.マッサージの目的

・試合前はウォームアップの補助や、パフォーマンスを高める、心理的に安定する。
・疲労回復や、スポーツ障害の予防。
・コンディションの調整。

d.マッサージの注意点

・食後60〜90分は過ぎているこが望ましい。
・けがの直後や腫れ、熱がある場合は行わない。
・皮膚疾患(湿疹、かぶれ等)がある場合は行わない。
・求心性(心臓に向かって)を意識して行う。

e.マッサージの方法

・軽擦法 ― 拳や指で軽くなで、さする方法。
・揉ねつ法 ― 筋を対象とし、揉みながら進める方法。
・振せん法 ― 振るわせ、刺激を与える。
・圧迫法 ― 手拳や母指にて圧迫する方法。
・叩打法 ― 軽く叩く方法。

B 試合に持っていくもの

〈服装・持ち物〉

・学校指定のトレーニングウェア(ジャージ)
  ※学校によっては標準服。私服は避ける。
・ウインドブレーカー ・トレーナー(冬季の場合はその他防寒着)
・ユニフォーム(ランニングシャツ,ランニングパンツ)
・着替え(雨天時などは靴下,下着など)
・Tシャツ(着替え含めて2〜4枚) ・タオル ・帽子(雨天時・夏季)
・スパイク(ピンを確認する。タータンピンorシンダーピン)※(投てきシューズ)
・アップシューズ(雨天時は2足)※(マラソンシューズ)
・サブバック(競技する場所に持っていく物を入れる物。小さめのリュックサック)
・雨具 ・腕時計 ・安全ピン(12本) ・交通費
・筆記用具 ・生徒手帳 ・ビニール敷物
・弁当(軽食[携帯用軽食,バナナ,レモンなど]も含む)・水筒(スポーツドリンク)

〈その他必要に応じて必要な物〉

・ナンバーカード(ゼッケン) ・ナンバーカード用の予備布、マジック-赤・黒
・練習用バトン・助走練習用メジャー30〜50m・練習用ハードル・練習用砲丸
・メディシングボール・練習用スターティングブロック・テーピングテープ
・すべり止め剤[タンマグ](投てき選手)・薬(サロメチール,ラブ,インテバンなどの筋肉消炎薬)
・救急用品(バンソコウなど)
・夏季の場合は氷、クーラーボックスなど。

〈競技場に持ち込まない物〉

・ジュースのビン、カン類。〔ペットボトル等は持ち帰る。〕
・お菓子、ガムなど〔その他ゴミは持ち帰るようにする。〕
・ゲーム、ウォークマン、ボールなどの遊戯具。
・貴重品〔高額の現金など〕